セキュリティ・クリアランス制度 ― 施行後の論点

2024年に成立し、2025年に施行された重要経済安保情報保護活用法、いわゆる「セキュリティ・クリアランス法」は、日本の情報保全制度に新たな層を加えるものです。施行から一定期間が経過し、制度の運用実態や企業側の対応にも注目が集まっています。

何を保全する制度なのか

日本にはすでに2013年の特定秘密保護法があり、防衛・外交・スパイ活動防止・テロ防止の4分野の情報を保護しています。一方で、経済分野にはこの枠組みに含まれない重要情報も多く存在します。セキュリティ・クリアランス法は、特定秘密に至らないレベルの「重要経済安保情報」を新たに定義し、保全対象としました。

民間人への適性評価の拡大

この制度の最大の特徴は、公務員だけでなく民間企業の従業員にも適性評価(クリアランス判定)を拡大した点です。先端技術分野での国際共同開発や安全保障関連の共同事業には、相手国から機密情報へのアクセスを求められる場面があり、信頼できる人物であることを制度的に示せなければ、日本企業が協力の輪から外れてしまうリスクがありました。

企業側の対応と今後の論点

制度対象となりうる企業は、従業員の適性評価の進め方や情報管理体制の整備を求められます。一方で、適性評価の対象となる従業員プライバシーへの配慮や、対象情報の範囲の明確化など、運用面での課題も指摘されており、制度の定着には引き続き時間を要するとみられます。

出典:内閣府公表資料。制度の詳細・最新の運用状況は内閣府の公式発表をご確認ください。

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